何年かぶりに出張施術を頼まれました。

3連休の最終日、どうしても来てもらいたいという話だったので仕事を終え車で訪問。

6年ぶりにお会いするご家族。

6年前は、パーキンソンでも歩けていたのに、今は自立で歩行もできず記憶や感覚までうすらいでいる様子。

施術ベッドに寝られないほど、全身が固くなり震えも強くなっていた。

そして私のことも覚えていなかった。

ソファーに座ってもらい、施術方法を変え調整してみた。

ご家族からの依頼は首と肩の痛み調整。

全身が固く、特に首周辺の固さが強く、肩に手を置いた瞬間、心からなんとも言いがたい不満が伝わって来た。

誰も分かってくれない不安と怒り哀しみ。
体が動かない苦しみ。
思わず、もらい泣きしてしまうほどの寂しさ。
長年、耐え忍んできたストレスで感情が爆発していた。

そんな意識を抜きながら、頭のねじれ調整をしていたら震えが少なくなってきた。

そして、私の顔も思い出したようだった。

本人もときどき「楽、楽」と小声でつぶやきはじめたので終える。

それと同時に、身体の固さも緩和してきたが、その感覚が本人に判るかどうか。

一時的に、楽になった気持ちがあれば、本人も安心するし家族も安心するだろう。

すこしでも楽にさせるには、施術を重ねて回復を診ていかないといけない。

医学的には、ドーパミンや神経伝達物質の減少らしいというけれど、決定的な原因が分からないし治療法も判明したわけでもない。

個人的には、パーキンソンなど原因不明の疾患は、こころの緊張状態が過度に続いたことに関係していると思っている。

本人のこころが辛さでいっぱいで考えられないなら、バーチャルで楽しい記憶を思い出してもらい、マイナスの感情のストレスを抜くしかない。

人間の体という、小さな枠の中で思考をめぐらせても改善に限界がある。

人の数以上に、苦しさ悲しさがあるのだから、悲しさと楽しさを少しずつ交換すればいいと思うし、そんな施術で調整している。